シンプルなのに奥が深い!枡の作り方を簡単にご紹介します!
枡は一見シンプルなつくりに見えますが、知れば知るほど奥が深い道具なんです!
そこで、今回は 職人技が詰まった枡の作り方を、写真を交えて簡単に紹介させていただきます!
枡ができるまで
1.仕入れ
※イメージです。
枡の素材であるヒノキは、国産の良質な天然ヒノキを仕入れています。
弊社工場の前を通るとヒノキの優しい香りがふんわり香って、癒されるんです!
枡は、住宅の道具を作る際などに余ってしまう端材を使用しています。
つまり、林業のサイクルに根ざした、環境に優しい製品なのです。
2.乾燥
木材を互い違いに組んで積み、木材の水分や油分を除きます。
それは、空気の通りをつくって乾燥させるためです。
木材は水分を含んでいると膨らんで変形したりするため、
しっかりと乾燥させることが重要になります。
乾燥方法は、寝かす・天日干し・燻す(いぶす)など時と場合によって調節しています。
季節により3日~10日かけて乾燥させています。
3.プレーナー(モルダー)
プレーナーとは、乾燥した木材の上下左右の四面を同時に削ることができる機械です。
いろいろな大きさの枡に加工するために、サイズに合わせて木材を削って整えます。
この工程では、木を削った際に生まれる「かんなくず」というものが出ます。
「くず」という名前がついてはいますが、新体操のリボンのような形をしていてかわいいです!
弊社では、これを緩衝材として再利用しています。
各工程で都度、不具合がないか心を込めて丁寧に検品しております。
4.駒切り
枡の寸法に合わせて木材をまとめてカットしていきます。
回転する大きな刃で枡の側面の長さになるようにカットする作業で、
職人さんは慣れた手つきでこなしています。
5.カッター
ロッキングカッターという機械を使って、枡の組目となる溝(ほぞ)を作ります!
枡の要となる重要な工程です!
複数枚の大きな刃が等間隔で並んで高速回転することによって、一気に木材に溝をつけていきます。
枡の大きさによって、機械も数種類あります。
6.のり付け
先のカッターの工程で出来上がった溝(ほぞ)に手作業でのりを付けていきます。
多すぎず少なすぎず均一にのりを付ける様はまさに職人技です。
食品衛生上安全なのりを使用していますので、安心してお使いいただけます。
7.組み
糊付けされた状態のものに横から圧を加えて組んでいきます。
一合枡と八勺枡は仮組機で組みますが、他のサイズはすべて人の手で組んでいるんです。
機械の場合は、まず仮組機で枡を軽く組んだあと、本組機でしっかりと圧を加えて枡を締めていきます。
組む速さや締める感覚は、熟練した技術が必要な大切な工程なのです。
8.ねじ抜き
底をつける前に、木枠の上下を平らになるように削っていきます。
この工程で出てくる「かんなくず」はくるくるとねじのような形をしています。
このことから、この工程はねじ抜きと呼ばれています。
枡をきれいな形に仕上げるためにとても重要な工程です。
ちなみにこちらの「かんなくず」、オンラインショップでも販売しております!
9.底付け
枡の底板をつけていく工程なので、ここも綺麗な枡を作るためにとても重要な工程です。
底付けには、手で締める場合と機械で締める場合があります。
手で締める場合は、人の手で締めて一晩乾燥させます。
機械の場合は、底がない木の枠となった枡に、先程と同じ食品衛生上安全なのりを使って底板を貼り付けていきます。
のりがついた枡を並べ、両サイドから圧力をかけながら、20分ほどかけて、高温の機械の中を潜り抜けます。
ここで初めて、枡の四角い形ができます。
10.仕上げ削り
円盤カンナという機械を使って、枡の側面4面、角8か所を削ります。
削ることで、飛び出ていた小さな段差やささくれがなくなり、
枡の手触りが滑らかになります。
たった1秒の削り時間で、それぞれの枡の状態に合わせて肌感覚で削っていくので、職人の技が光ります。
枡つくり体験ではこの円盤カンナを体験することもできます!
11.面取り
削りでは取り切れないの微細なささくれを手カンナまたは面取り機で取ります。
手カンナは面取り機よりも繊細で難しい作業ですので、職人の腕の見せ所です。
一つ一つの面を丁寧に取ることで、ヒノキのぬくもりが感じられる肌触りの良い枡が完成します。
12.焼印・シルクプリント・レーザープリント
焼印加工の様子
枡ができたら、最後に装飾を施します。
装飾には、主に焼印加工、レーザー加工、シルクプリント加工の3種類があり、それぞれに違った良さがあります。
焼き印
それぞれのデザインの銅板を焼印機にセットして、温まった銅板を枡に押します。
焼印を入れることにより、素朴でナチュラルな印象になります。
押している時間や力加減が少しでも違うとデザインの濃さが変わってしまいます。
全てを同じ色味で焼きいれるのは熟練の職人の技術が必要です。
レーザー加工
焼印よりも細かいデータや写真、イラストなども枡に入れることができます。
レーザー機を使って、枡にデザインを入れていきます。
細部までレーザーで焼くため、細かな凹凸が生まれ、手触りが楽しい枡になります。
シルクプリント
焼印とレーザーは、加工の性質上、白と黒のデザインになります。
シルクプリント加工は、弊社の枡への加工で唯一、色を入れることができます。
色をプリントする台を使って、一つ一つ、職人がきれいに色を入れていきます。
色味も手作業で調合しておりますので、様々な色のご要望にお応えできます。
木の色も楽しみつつ、色のアクセントをつけることができ、見ているだけで楽しい枡となります。
13.梱包・出荷
出来上がった枡を一つ一つ入念にチェックしながら、大切にクラフト紙でお包みします。
枡の周りを「かんなくず」で守り、末永く愛していただけるよう願いを込めて梱包しております。ヒノキの温かな香りと共に皆様にお届けいたします。
まとめ
今回は枡の作り方をご覧いただきました。
枡は様々な工程を踏まえ、職人技の結集した商品であることを知っていただけましたら幸いです!
★さて、今回は主に一般的な枡の作り方をご紹介しましたが、
弊社では他にもビールジョッキやコースター、三角の枡や五角形の枡など様々な形の枡を製作しております。
それぞれの枡が手作りで、職人の想いが詰まっております。
枡工房ますやオンラインショップでは、多種多様な枡があなたをお待ちしておりますので、ぜひご覧ください!
★枡を作ってみたい!作っているところを見てみたい!
という方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度お問い合わせください。
おひとり1,000円(税込)で枡を一からお作りいただけます!
大垣へいらした際は、ぜひご検討ください♪